怖いを通り越して、無の境地です。
直前までは。
受付から緊張が始まり、いざ刺す時には緊張は最高潮に。
全然平静ではいられませんでした。
普段どちらかというと乾燥ぎみな手のひらが、手汗でぬるぬるになりました。
こんなに滑りよくなるんですね、びっくりです。
私の緊張を察したスタッフの方々が、心配して声をかけてくれました。
皆さん、なんて優しいんだろう泣。
それなのに怖がり過ぎて何も反応出来ずに、ごめんなさい。
結果からいうと、麻酔の注射が痛かったです。
そして私、勘違いをしていました。
私は確かに「注射は何回打ちますか」と聞きました。
そして先生は「1本の半分くらいですよ」とおっしゃいました。
えぇ、二か所に塗る麻酔をした時から「あれれ?」と思っていたんです。
けれど、一本。そう言っていたではないですか、私は自分に言い聞かせました。一本だから、と。
注射の針が刺さり、徐々に痛みが強くなります。ですが1本だから、これで終わりこれで終わりと、言い聞かせて耐え続けました。
その間、ゆっくり数えて30秒ほどでしょうか。
麻酔の注射は、長めに刺すのも嫌なところです。
そうして、痛みが去り「あぁ耐え抜いた!」と喜ぶ間もなく「では、次隣り麻酔しますねー。」
…ん、ん?!どういう事!?
そうなんです、2か所に麻酔の注射するのに、注射1本の半分くらい使うんですね。
私が何回打ちますか?に対して、先生は明確に何回打ちますよ。とは返答していないのです。
何て巧妙な!!
半泣きになりながら、ちょっと待って下さいと懇願するも、中途半端が1番怖いと分かっているので覚悟を決めるまで1分弱。
汗でぬるぬるの手が震えましたが、爪を立てて自分を奮い立たせます。
どうせやる事になるのだから、先延ばししても辛いだけ。今やるしかない。
もう一度お願いします。
口を開いて意識表示します。
緊張して待っていると痛みを感じ、刺されたのだと分かります。
そしてもう1段階上の痛みがやって来ます、ここからが思いのほか長いのです。
手のひらへ爪を立てる事に集中します。鼻で息をしながら、ただ耐える、耐える、耐える。
やっと抜いてもらえます、とうとう麻酔注射から解放されました。
ここまで耐えたら、もう大丈夫です。
麻酔が十分に効いたところで、アンカースクリューの登場です。
アンカースクリューとは、矯正歯科用の2、3ミリのネジです。
インプラントの一種である、という割りにあまり情報が無いので、「どのように付けるのかな」と不安でいっぱいでした。
つまるところ、ネジなので電動ドライバーのようなもので回転させながら付けました。
目を閉じていたので、電動ドライバーのようなものの形状は分かりません。
ですが施術されている感覚は、板に電動ドライバーでネジを付けるそのものです。
最初は風を当てながら、クルクルクルという早めの回転。
音は控えめにキューーーンっと鳴っています。
そのクルクルクルという回転の振動が上顎から、鼻の骨に伝わって、鼻のあたりにくすぐったさを感じました。
そして痛みの無いまま、半分くらい入りました。
後半、上顎の骨に差しかかった途端、急にガガガガっと感覚が変わります。
正直、我慢出来なくはないですが遠慮願いたい感覚です。感じる圧が痛みなのか、分からないまま耐え続けます。
上顎の骨に当たってから、体感では1分半くらいでしょうか。全てが終わりました。
終えてみれば、安心安堵で口元か緩みます。
本当に良かった。
付け終えるまでは本当に怖かったですし、麻酔の注射はやはり苦手です。
ただ、歯並びは良くなって来ているので、それだけは心の支えです。
痛くなりそうと思ったら、早く痛み止めを服用しているので、今のところ硬いものを食べなけれ術後の痛みはありません。
ですが異物が付いたので、若干の違和感と圧迫感はあります。
冒頭に書きましたが、麻酔の注射が痛いです。
そこを乗り越えれば、付けるだけなので、痛みに弱い私でも我慢することが出来ました。
これから先に、同じようにアンカースクリューを付ける方がいたら応援したいです。
今よりキレイに良くなります。未来の自分を信じて、頑張ってくださいね。